発売から40年、愛され続けて来た『冷凍うどん』にちなんで太く長く愛され続ける各界の著名人の皆さんに<愛される秘訣>を教えていただきます!

故郷の味でもある讃岐うどんへの思い入れが強いが故に、他の土地のうどんが長く食べることが出来なかったという山下さん。しかし、冷凍うどんだけは大好物だったそう。

テーブルマークさんにゴマするわけじゃないんですけど、大学生ぐらいの時に冷凍うどんを初めて食べた時は衝撃受けました。「なんやコレ! めちゃめちゃコシあって、外で食うより全然旨いがな!」ってなって(笑)。お店ではうどんは全然食べてなかったけど、冷凍うどんにはハマって、しょっちゅう家で食べるようになりました。常に冷凍庫に買い置きして、冷たいざるうどんなんかにしてよう食うてましたね。冷凍うどんは、若手時代の思い出の食べ物ですね。
 今は、レンジでチンするだけで茹でたてみたいな状態になるんですか? 冷凍うどんは、ホンマにすごい発明ですね。最近だと、僕はよく先輩の家で鍋を作ったりするんですけど、〆に冷凍うどんを入れると、みんな喜んでくれますね。


さて、自身のお店をはじめたことで、より深くうどんに向き合うようになった山下さん。自ら調理場に立ち、お客さんの反応を体感するごとに、うどんの奥深さを感じるそう。

うちの店の基本は麺は讃岐で、つゆは大阪の味をベースにしてます。讃岐のつゆは、いりこをだしに使うのでどうしてもクセがある。汁に関してはかつおぶしやさばぶしを使う大阪の味のほうが好みで、僕が教えてもらった新宿のお店もその組み合わせだったんです。自分の好みがばっちり一致したから、そこで修行しようと思ったんですけどね。

 それにしても、麺の硬さは難しいですよね。たとえば讃岐うどんって、他のうどんに比べると硬いですけどモチモチ感もあるし、コシもしっかりある。だけど、東京の武蔵野うどんはコシというより硬さが前面に出てるんですよね。だからなのか、東京のお客さんの中にはモチモチした食感があると、もっと硬いほうが好みっていう人もいるんですよね。だから、東京の人に寄るようにちょっと硬くしてみたんですけど、それでももっと硬くしてほしいって言われたり。どうしようと悩んでる時に、宮迫さんが食べに来てくれて、同じゆで時間で出したら「俺はもうちょっと柔らかいほうがエエな」って。だから、そういういろんな好みの間を取っていかなアカンなって思うし。そこは悩みますね。


今では店のメニューも結構増えてきて、新メニューもちょくちょく加えてます。今、店で推してるのがカレーうどんなんですけど、そのメニューが生まれたのも番組の企画がきっかけで。ブラジルに美味しいうどんを作る日系のおばあちゃんがいるっていうので、実際に行って食べてこようっていう内容でね。で、最後にブラジルの食材を使って、ブラジルをテーマにうどんを作る指令があって。ブラジルは牛テールを使った料理が有名で、あとフルーツも豊富なのでマンゴーを使ってカレーうどんを作ろうって思いついたんです。それを現地の人たちに食べてもらったらすごく評判がよくて。だったらこれ、店のメニューにしようってことで、実際に店でも出すようになったんです。だから、その番組がなかったらカレーうどんをメニューに加えようなんて思いつかなかったし、ブラジルっていうきっかけがなかったら牛テールやマンゴーを食材に使うっていうのも思いつかなかったでしょうしね。

そういう新しいメニューに関してもそうですし、基本にある麺やつゆの美味しさそのものも美味しくしていく。あとは他にも提供時間を短くしたり、サービスの部分でも進化させていかないといけない。店を長く続けていく以上、日々進化させていかないといけないですから。一定のレベルからは絶対に落とせないけれど、日々進化させてレベルを上げていかないとならない。そうして研究すればするほど、うどんって探りどころがあるんですよね。そういう意味でも、うどんはオモロー!ですね(笑)。