発売から40年、愛され続けて来た『冷凍うどん』にちなんで太く長く愛され続ける各界の著名人の皆さんに<愛される秘訣>を教えていただきます!

山下栄緑(オモロー山下)

山下栄緑(オモロー山下)

第7回のゲストは、お笑い芸人として20年以上にわたって活躍する、オモロー山下さん。芸人としての活動のかたわら、うどん好きが高じて2012年6月に〈山下本気うどん〉をオープンさせた山下さんに、芸人として息の長い活動を続けるための処世術、そして故郷の味である讃岐うどんへの思い入れについて語っていただきました。

独特のギャグやすべりキャラともいえる芸風で、テレビ番組や劇場などで長く人気を博すオモロー山下さん。今田耕司さんや宮迫博之さんなど、多くの大物芸人からも愛されるパーソナリティを持つ山下さんに、まずは芸人として長くキャリアを重ねてきた秘訣を伺ってみました。

 うーん、なんですかね(笑)。まあ僕は、昔からまわりの人に助けられてきたと思ってます。相方(註:ジャリズムとして長年コンビを組んでいた世界のナベアツ。現在はコンビは解散し、桂三度として活躍中)がブレイクしてくれたことで一緒に番組に出たり、可愛がってくれる先輩に呼んでもらったり。そんなのがほとんどなんですよ(笑)。そういう〈縁〉に恵まれたことで、まだ続けられているというか。


 長く続ける一番の秘訣は、「自分にとって無理をしないこと」ですかね。僕、O型で大雑把なところも影響してるのかもしれないですけど、たとえば先輩に食事に連れていってもらったりした時に、きっちりしたヤツだったら「昨日はご馳走様でした」ってお礼のメールでも入れると思うんですけど、僕はそういうの一切しないんです(笑)。僕が逆の立場だったら、そんなにマメに送ってくれなくてもいいのになって感じるし、そういう先輩も実際は多いんですよね。お礼のメールよこさないって怒ったのは、三又又三さんぐらいですね(笑)。あと、夜中に飲みに誘われても、次の日が仕事で早い時は「すいません、明日早いんで……」って平気で断りますからね(笑)。そんな失礼なことも、後から笑いに変えてくれたりね。まあ、たまたまいい先輩が回りに多かっただけかもしれないですけどね。



そんな山下さんは、香川県のご出身。やはりうどんについては、深い思い入れがあるそう。

 生まれは香川県高松市なんですけど、子どもの頃は、近くの製麺所からうどん玉だけ買ってきて、家で家族で食べたうどんが思い出にありますね。大学に進学して、香川から大阪に移ったんですけど、僕にはどうも大阪のうどんが合わなくてね(笑)。大阪のうどんって、すごく柔らかいんですよ。香川のうどんはコシがあって、それに食べ慣れていたのでものすごく違和感を感じて。だから、大阪に住んでた時は、うどん店のうどんはずっと食べなかった。で、僕が東京に出てきたあたりで、うどんブームみたいな感じでうどん屋さんもだんだんと増えてきたんですけど、最初の頃はチェーン店で食べてもうどんが太いのがちょっと馴染めなくて。ただ、それから讃岐のスタンダードに近い感じの麺を出すお店が増えてきたおかげで、ようやくうどんを食べ歩くようになったんです。

 ちょうど同じぐらいのタイミングでTwitterをはじめていたので、東京のうどん店を回って食べた感想をアップしていって。だいたい1年半ぐらいで150軒ぐらい、感想をupしていったんです。そうして回っているうちに、自分でもうどん屋をやりたいなって思うようになって。そんな時に、新宿にめっちゃ旨いうどん屋を見つけたんです。大将とも顔見知りになって「うどん屋やりたいと思ってるんですよ」って相談したら、「全然いいっすよ、教えますよ!」って言ってくれたんです。その店の味が本当に気に入ったので、芸人の仕事の合間に週に2、3日ぐらい店に入って働かせてもらいながら、1からノウハウを教えてもらって。そうして、自分の店をオープンするまでになったんです。