発売から40年、愛され続けて来た『冷凍うどん』にちなんで太く長く愛され続ける各界の著名人の皆さんに<愛される秘訣>を教えていただきます!

辛酸なめ子

辛酸なめ子

第2回目のゲストは、独特の画風とシニカルな切り口で綴られる文章が人気の、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さん。20年近くにわたり〈太く長く〉愛される秘訣に迫ってみました。

美術大学に在学中から活動を開始した辛酸さん。
仕事をはじめてから、今年で20周年を迎えるそう。

私としては〈太く長く〉活動しているという意識はなくて、本当に〈細く長く〉って感じなんですけどね。
大学に進んで、グラフィックデザイン科に入ったんですが、それも最初はいろんな表現が出来るかなと思って入ったんです。だけど、やっぱりデザインみたいな緻密な作業が向いてなくて、もっと漫画を描いたり、文書を書いたりするのが出来そうな方向にシフトしていった感じですね。

高校時代には新聞を作ったり、部活の会報誌を作ったりしていました。
その頃から自宅にMacがあって、HyperCardっていうソフトを使って簡単なアニメーションやゲームを作ったりして。当時はフロッピーディスクに自分で作った作品を入れて配布する〈フロッピーマガジン〉みたいな文化があって、そうやって自分で作った作品をいろんな人に配ってたら、だんだんと仕事を依頼されるようになったんです。

旬なネタやスポットをキャッチしては、独自の視点で切り取っていく辛酸さん。そのアンテナの鋭さはどうやって磨かれるのでしょう?

情報が自然に入ってくるという感じです。街を歩いていて、フリーペーパーとか置いてあるのを見かけると、なんとなく呼んでる気がして。
それを手に取ったら楽しそうなイベントが載っていて、実際に足を運んでみて……もともとニューオープンの建物やショップに行くのは好きなんです。
最近ですと〈コレド室町〉がオープンしましたけど、そうやって新しく出来たところに行くと、やっぱりテンション上がりますよね。

新しく出来たお店や建物自体にも興味があるし、そこに集まる人たちにも興味があって。
たとえばニューヨークに拠点のある食料品のセレクトショップは、日本上陸前から好きだったんですが、日本にオープンしてあらためて価格設定を見たら、結構高く設定してあるんですね。
後から聞いたら、年収5000万円以上の所帯を対象にしているとか。
そういうショップは、どんな顧客層を対象にしてるんだろう?とか、お店のコンセプトはもちろん、そこに集まる人たちの雰囲気にも興味が湧くんですよね。