東京うどん日和 東京で見つけたうどんの名店のいちおしメニューをご紹介します

店頭にかかげた大きな看板には、店名と並んで『創作うどん』の文字がある。
しかし、店主が一番こだわっているのは、実は「創作し過ぎない」ことだという。

四国のうどん屋で育った店主、子供の頃から「だまされて、うどんを踏まされていました（笑）」というだけあって、うどん作りの基本は身体に染み付いている。
だからこそ、大胆なアレンジの創作うどんを考案できる一方、基本となるうどんの美味しさを損なわないよう、創作し過ぎないことに気をつかっているのだ。

和風ヴィシソワーズとも言えるじゃがいもの冷製スープうどんを一口すすれば、店主の言葉に納得する。太めのうどんとじゃがいもの旨みたっぷりのスープが見事にマッチして、「意外な組み合わせ」ではなく純粋に「美味しい！」と唸ってしまう一杯だ。

さらに名物の白肉うどんは，居酒屋形態のお店らしい「煮込みとうどんの組み合わせ」といった味わいだが、これまた最後の一滴まで飲み干したくなる旨みたっぷりのスープで、変化球というよりむしろ直球で美味しさを感じさせる一杯。

二日酔いの胃にもすんなりおさまるその名も二日酔いうどんや、鶏肉のジューシーさが絶品のかしわ天ぶっかけなど、どれも１アクセントある具とスープだが、一杯のうどんとしての完成度が極めて高い。

子供の頃に日々うどんを「踏まされた」おかげで、しっかり足場の固まった店主だからこそ作れる、基本をきちんと押さえた『創作うどん』の数々が、今日もうどん好きの心をがっちりと捉える。