「浴衣」

平安時代、貴族が蒸し風呂に入る際、水蒸気でやけどをしないよう纏っていた「湯帷子(ゆかたびら)」が浴衣のはじまりとか。帷子とは麻の着物のことをいいます。現代では麻着尺のほうが高価ですが、当時は綿のほうが高級品でした。江戸時代後期には綿の生産量も高まり、湯帷子も綿に変わりました。また銭湯の普及もあり、庶民にも綿の浴衣を着る機会が増えました。浴衣は湯上がりに着る室内着でした。
現在では「花火大会には浴衣で!」とイベント着のように若い方からも支持されています。目にも涼しげな白地や藍地に波千鳥や秋の草花が染められた古典柄、洋服感覚の鮮やかな色柄の浴衣など、雰囲気は変わっても着物や浴衣の着姿は美しく、つい目で追ってしまうものです。
藍の浴衣の藍の香りは蚊など虫が嫌います。暑い夏を快適に過ごすための日本人の知恵なのでしょう。

土用にまつわる言葉たち

夏に耳にする「土用」ですが、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間をいい、これから迎える立秋の前を「夏の土用」といいます。夏の土用の頃は陽射しが強く、土用干しといって衣類などの虫干しをします。土用蜆、土用卵、土用餅を食べて精をつけ、厄よけをすると夏バテ防止にもなります。また、古来よりこの頃海で発生する大きな波を土用波といっていましたが、台風の影響で発生する波のことです。

うどんレシピ

旬の食材 【うなぎ】

やはり夏の土用といえば、うなぎです。土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は江戸時代から始まりました。これは平賀源内がうなぎ屋のために発案したことが始まりといわれています。またうなぎだけでなく、「う」のつく食べ物を食べると病気にならないという言い伝えもあります。
うなぎは、たん白質、ビタミンA、良質な脂質であるDHA、EPAなどの栄養素をバランスよく含んでいます。蒸し暑い中でも食欲をそそるうなぎは、夏バテ防止のスタミナ食に最適です。

うな玉冷やしうどん

土用の丑に、うなぎとうどん。
山芋もプラスして、夏バテ知らずの一品です。

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