うどん・パン・お好み焼【テーブルマーク】

1限

さぬきうどんとは

第1項 さぬきうどんとは 4-1

 日本各地にさまざまな特徴を持つうどんがありますが、香川県発祥のさぬきうどんが、これほど全国で愛されている理由のひとつは特徴的な麺にあります。

 さぬきうどんは、つややかで透き通るように白く、包丁で1本1本切った麺は、断面が少し凹んですっと角が立っています。この麺の形のおかげでつゆの乗りもよくなるのです。食感は、もちもちとした弾力がありながら、しっかりした歯応えを感じる強いコシと、なめらかなのど越しが特徴です。また、ぶっかけ、生醤油、釜玉など、多彩な食べ方があるのもさぬきうどんの特徴といえます。

  • ぶっかけ
  • 生醤油
  • 釜玉

写真提供:香川県観光協会 うどん県旅ネット

第2項 さぬきうどんのうまさを知る 4-2

うどん文化が根付いた讃岐の風土

 瀬戸内海から吹き込む潮風と、なだらかな山の稜線が広がる美しい讃岐平野。さぬきうどんの本場、香川県では日頃からよくうどんが食べられています。そうしたうどん文化が生活の中に根付いた理由のひとつは、讃岐の風土にあります。溜池が多い讃岐の土地柄は、温暖な気候、少ない降水量という特有の自然条件によって生み出されました。昔から讃岐の農業の歴史は干ばつの歴史ともいわれるほどその環境は厳しく、人々は生産の難しかった米作に代わって、良質な小麦が収穫できる農地を作り上げました。小麦から作り出すことができるうどんは米よりも主流となり、これがうどん文化の始まりといわれています。

 さらに瀬戸内海周辺は、塩田による塩の生産が盛んで、良質な塩の産地でもありました。それ以外にも、うどんつゆの原料となる醤油、いりこ(カタクチイワシの煮干し)等、おいしいうどんを作るのに必要な材料が確保しやすかったことも、讃岐にうどん文化が根付き、うどん作りが盛んになった理由なのです。


写真提供:香川県観光協会 うどん県旅ネット


さぬきうどんのうまさを知る1 「コシ」

 さぬきうどんのおいしさはコシの強さで決まるといっても過言ではありません。コシはさぬきうどんにとってそれほど大切なものなのです。ただ硬いだけではなく、歯にあたった時に押し返してくるような弾力感のコシともっちり感がさぬきうどんの特徴です。

 コシのヒミツはうどんを作る時の独特の製法にあります。小麦粉に濃い目の塩水を加え、繰り返し繰り返しこね、しっかり生地を鍛えます。このことであの特徴的な食感が生まれるのです。小麦粉に加える水と塩の分量、こねる時間は、季節や天候によって変化します。ここがうどん職人の腕の見せ所です。


さぬきうどんのうまさを知る2 「のど越し」

 さぬきうどんのもうひとつの特徴は麺のなめらかさです。讃岐の人は「さぬきうどんはのどで味わう」と言います。のどで味わえる、つるっとしたなめらかさもさぬきうどんの魅力なのです。

 なめらかな食感は、こねた生地を一度寝かせ、水分をまんべんなく行き渡らせることで生まれます。また、延ばした生地をうどんの太さに切る工程もなめらかに仕上げるポイントです。包丁で1本1本切ったうどんは、断面が少し凹み、すっと角が立ちます。この形ものど越しが良い理由のひとつです。


さぬきうどんのうまさを知る3 「だし」

 もちろんうどんに合わせるだしのうまさも欠かせません。瀬戸内海で多く獲れるいりこ(カタクチイワシの煮干し)のだしは、色は薄い黄金色で、濃厚な旨みがあって小麦の風味に負けません。黄金色に輝くだしの色とうどんの透き通るような透明感がさぬきうどんの醍醐味です。


さぬきうどんのうまさを知る4 「材料」

 さぬきうどんは、小麦粉、水、塩という極めてシンプルな材料で作られています。うどんを作り、食べるのに必要な高品質な材料が揃う香川の地は、おいしいうどんが生まれ育つのにとても適しています。

①「小麦粉」
 香川県讃岐地方の温暖で雨が少ない気候は小麦の生産に適しており、古くからその栽培が盛んです。現在はさぬきうどんのコシの強さを生み出すのに最適なオーストラリア産小麦粉をブレンドして使用するのが主流ですが、「さぬきの夢2009」など香川県で栽培した小麦粉にこだわったさぬきうどんも作られています。

②「塩」
 兵庫県の赤穂、愛媛県の伯方島(はかたじま)など、瀬戸内海沿岸では昔から塩田での塩作りが盛んです。瀬戸内海の雨の少ない気候は、上質な塩作りにも最適なのです。

③「だし」
 さぬきうどんのだしに使われるのは主に「いりこ(カタクチイワシの煮干し)」。瀬戸内では煮干しのことをいりこと呼びます。香川県の西部にある伊吹島は「いりこの島」と呼ばれ、最高級のいりこが生産されることで有名です。

④「醤油」
 香川県小豆島(しょうどしま)で盛んなのが醤油作り。もともと小豆島では塩が作られていましたが、江戸時代に紀州(和歌山県)から醤油作りの技術が伝えられました。小豆島は天下の台所・大阪に近く、醤油を船で運ぶのに適していたことから発展したのです。

⑤「薬味」
 さぬきうどんに欠かせない薬味といえば「青ねぎ」。青ねぎは香川県内で多く栽培されています。また、しょうが(高知名産)、すだち(徳島名産)など、近県で採れる食材も薬味として使用されています。

第3項 さぬきうどんの発祥 4-3

 香川県を代表する食品といえる「さぬきうどん」。うどんの歴史については諸説があり、明確なことは分かっていません。香川では、平安時代前期に「智泉大徳(ちせんだいとく)」という僧が、師であり叔父でもある「空海(くうかい)」から唐に伝わる麺の打ち方を伝授され、故郷である現在の香川県綾歌郡綾川町滝宮の両親をうどんでもてなしたのが最初、と伝えられています。しかし、当時のうどんは団子状のものだったといわれています。その後、江戸時代前期の屏風絵にはうどん屋の絵が見られます。うどんが現在のようなスタイルで本格的に発展したのはその頃からではないかといわれています。

 香川では、「年明けうどん」のように正月や祭り、客人のもてなしなど「ハレの日」にうどんを手作りするのが慣わしになっていたようです。昭和時代には小規模の製麺所が発展し、やがて椅子を並べて客に食べさせるようになり、次々とそのような「うどん屋」が増えていきました。1960年頃には「さぬきうどん」という呼称が一般的になり始め、やがて全国にその名を知られるうどん大国が誕生しました。

<文献>
「社団法人香川県物産協会 ホームページ」
http://www.kensanpin.org/

第4項 さぬきうどんの作り方 4-4

 さぬきうどんの命ともいわれているのが麺の「強いコシ」「もちもちした食感」そして「なめらかなのど越し」。このさぬきうどんのおいしさのヒミツは製造方法にあります。

 香川県讃岐地方では、「土三寒六常五杯(どさんかんろくじょうごはい)」といって、塩分濃度を土用の頃の暑中には塩1に対して水3、寒中の頃には水6、春と秋には水5の割合にして小麦粉に混ぜて生地を作っていました。現代でもこの手法は守られており、気温や湿度、天気などほんのわずかな差も見逃しません。

 さぬきうどんのおいしさを作り出すのが、生地を手でこねてのばす独特のこね方や熟成時間の長さなどに特徴のある手打ち製法です。讃岐伝統のおいしさを守るため、現代においても職人の感覚を活かしながらていねいに製造しています。

<文献>
「社団法人香川県物産協会 ホームページ」
http://www.kensanpin.org/

第5項 さぬきうどんの食べ方 4-5

 香川では、うどんのつゆことを「だし」といいます。かけだし、ぶっかけだし、つけだしなど、その食べ方は様々です。さぬきうどんの主役はあくまで麺。お店ごとに異なる麺のコシやのど越しを楽しむのがさぬきうどんの醍醐味であり、だしは麺にかけるものというのがさぬきうどんの考え方です。

 そんな考え方のもと、麺を楽しむ様々な食べ方が生まれてきました。麺に生醤油をかけるだけの「生醤油うどん」、釜揚げの麺に卵と生醤油をかける「釜玉うどん」など。香川では「かけうどん」ひとつとっても様々な味わい方があります。冷たい麺に熱いだしをかける「ひやあつ」は、麺の味がより繊細に味わえます。熱い麺に熱いだしをかける「あつあつ」や、熱い麺に冷たいだしをかける「あつひや」、冷たい麺に冷たいだしをかける「ひやひや」などがあります。

<文献>
「社団法人香川県物産協会 ホームページ」
http://www.kensanpin.org/

第6項 「冷凍さぬきうどん」のおいしさのヒミツ 4-6

 うどんは、ゆで上げた直後が一番おいしい!「冷凍さぬきうどん」は、ゆでたてではないのに、しっかりコシがあっておいしいのはなぜでしょう?

 おいしいうどんのポイントは麺に含まれる「水分量」にあります。ゆで上げ直後のうどんの水分量は、外側が約80%と多く「もちもちした食感」なのに対し、内側は約50%と少なく「弾力のある食感」があります。

 この麺の外側と内側の水分量の差こそ、コシがあっておいしいうどんの条件!時間がたつにつれて外側と内側の水分量は均一化して「もちもち」と「弾力」が失われ、歯応えのないうどんになってしまいます。これがいわゆる麺が伸びた状態です。※1

※1 古橋敏明、島田浩基(2014);冷凍うどんの優位性と課題,冷凍89(2)、pp.66‐73


 冷凍うどんは、ゆで上げ直後の水分量がベストな状態、つまり麺の一番いい状態を「急速凍結」しておいしさを閉じ込めます。ゆっくり凍らせると、麺に含まれる水の粒が大きな氷になって組織を壊し、コシの弱いうどんになってしまいます。急速凍結で一気に凍らせれば、水は小さな粒のままなので、組織を壊すことはありません。この「急速凍結」が冷凍うどんのおいしさのヒミツなのです。

 冷凍うどんは、ゆで上げ直後の急速凍結で、ベストな水分量のまま眠らせているだけ。だから鍋や電子レンジで解凍するだけで、うどんの一番おいしい状態をご家庭でも簡単にいただけるのです。もちろん凍った麺を解凍するだけですので、ゆで過ぎなどの失敗もありません。

2限

香川県・日本一のうどん県

第1項 香川県はうどん県 4-7

 「うどん県にようこそ!」

 「うどん県」とは、香川県観光協会が香川県をアピールするため2011年にプロモーション用に名付けた香川県のもうひとつの名称です。県名をうどんにしてしまうなんて、香川県のうどんに対する愛情を感じます。2014年(平成26年)に実施した家計調査(総務省)によると、一世帯当たりのうどん・そばの年間支出金額は、なんと香川県高松市がトップ!※1また、うどん用小麦の使用量も全国1位※2で、名実ともに「香川県=うどん県」といえます。

※1 一世帯当たり「生うどん・そば」の年間支出金額(購入)
 平成26年総務省「家計調査」2人以上の世帯
※2 うどん用小麦粉使用量
 平成21年農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」

<文献>
「香川県 ホームページ」 うどん県統計情報コーナー
http://www.pref.kagawa.lg.jp/toukei/zuiji/udonjouhou/

第2項 本場香川県のうどん店 4-8

 「電信柱の数よりもうどん店の方が多い」という都市伝説まである香川県。香川県にはおよそ700件近くのうどん店があるといわれています※1。人口1万人当たりの「そば・うどん店」の店舗数は5.92店と全国第1位!全国平均は2.45店ですので、香川県は全国平均の約2.4倍のお店があることになります。※2

※1 「さぬきうどん全店制覇攻略本2016-17」 タウン情報香川 調査    
※2 人口1万人当たり「そば・うどん店」事業所数 
   平成26年総務省「経済センサス−基礎調査」

<文献> 「さぬきうどん全店制覇攻略本2016~17」 タウン情報香川
「香川県 ホームページ」 うどん県統計情報コーナー
http://www.pref.kagawa.lg.jp/toukei/zuiji/udonjouhou/

 本場・香川県にあるうどん屋さんは、おおむね以下の3タイプに分類されます。香川にうどんを食べに行く際の参考にしてください。

①「一般タイプ」
通常の食堂タイプのうどん屋さんです。店に入り店員さんの案内に従って席に着きます。メニューを見て注文し、うどんを待つ間におでんやいなり寿司などのサイドメニューを選んで自分で席まで運びます。うどんが来たらテーブルの上にある薬味(しょうが、七味唐辛子、白ごまなど)を追加して自分の好みの味に仕上げていただきます。

②「セルフタイプ」
お店によって手順は多少異なりますが、まずうどんの玉数をお店の人に伝えてうどんの入った丼を受け取ります。次にうどん玉を自分で湯がきます(麺はすでにゆでてあるので短時間お湯に浸す程度です)。
そして、天ぷら、おにぎり、おでんなどお好みのサイドメニューを選び、レジで支払いを済ませ、うどんを持って空いている席へ。混雑している時は相席となることも多いです。食べ終わったら食器を返却口に返します。

③「製麺所タイプ」
最後に、麺の製造と販売を行っている製麺所が営業しているうどん屋さんです。ここはセルフタイプのように丼や箸などが準備された店から、自分で食器からすべて持ち込む店までさまざまです。製麺所に食器がない場合は、事前に丼や箸の他、だし、醤油、薬味など、必要なものを自分で準備しておきます。お店に入ったら、うどんの玉数をお店の人に伝えて丼に入れてもらい、その場で支払いを済ませます。もし店内に食べる場所がない場合は、お店の外に出ていただきます。

<文献>
・旭屋出版編集部編 『うどん大全』(旭屋出版)2008年
・『そばうどん麺料理』(旭屋出版)2008年
・『めん料理』(中央公論社)1987年

第3項 さぬきうどん店でのお作法 4-9

 さぬきうどんの食べ方は店ごとにずいぶん違いがあります。以下はセルフタイプ店の一例です。

 まずうどんの注文方法ですが、「かけ中天(かけの中と天ぷら1つ)」や「2・2・2(うどん2、天ぷら2、おにぎり2)」など、これもお店によってさまざまです。

 次に、丼に入ったうどんを「テボ」と呼ばれる湯切りカゴに移して熱湯の中で温め、湯切りをして丼に戻します。そしてサイドメニューから、天ぷら、おにぎり、おでんなど好みのものを自由にセレクトしますが、「小皿にのせる人」と「うどんに直接のせる人」に分かれることが多いようです。

 支払が済んだらうどんの入った丼にだしを注ぎます。「だしの入った容器の蛇口から」「鍋に入っただしをお玉で」など店によって異なります。

 最後にしょうが、ねぎ、七味唐辛子、白ごま、わさび、天かすなどの薬味を好みでトッピングします。地元の人は「しょうが」と「七味」に大きく好みが分かれるそうです。

 さぬきうどんのもうひとつの特徴はサイドメニューの豊富さです。うどん屋さんでおでんが食べられるのは香川では普通のことです。おでんはうどんのだしで煮ていることが多く、うどんとの相性は抜群。一般タイプの店では、うどんができるのを待つ間にゆっくりサイドメニューを食べるお客さんの姿が見られます。

 うどんに合うサイドメニューといえば天ぷら。カウンターの上に旬の野菜天やえび天、かき揚げ、ちくわ天などがズラリと並ぶ姿は本当においしそう。次々と揚げられるのでアツアツが食べられるのもうれしいです。小皿にのせてそのまま食べてもおいしいのですが、うどんの上にのせて、だしをちょっと含ませて食べるのも格別です。

<文献>
・旭屋出版編集部編 『うどん大全』(旭屋出版)2008年
・『そばうどん麺料理』(旭屋出版)2008年
・『めん料理』(中央公論社)1987年

第4項 さぬきうどん雑学あれこれ 4-10

うどんの日と半夏生

  七十二候のひとつで、毎年7月2日頃にやってくる「半夏生(はんげしょう)」。古くからの香川の農家では、田植えや小麦の刈り入れが終わるこの頃、繁忙期の労をねぎらう意味で、その年に収穫した小麦でうどんを打ち、農作業を手伝ってくれた人たちにふるまう風習がありました。その風習にちなみ、7月2日は「うどんの日」として制定しました。

 香川では、毎年この時期に「さぬきうどん祭り」が催され、会場でさぬきうどんがふるまわれるなど、多くの人で賑わいます。

<文献>
「香川県観光協会 うどん県旅ネット ホームページ」
http://www.my-kagawa.jp/udon/feature/sanukiudon/culture


一年の幸せを願う「年明けうどん」

 「年明けうどん」とは、「白」のうどんに、新春を祝う「紅」の具材を添え、年始め(元旦から1月15日まで)に食べることで、新しい年の到来を祝い、その年の幸せを願って食べるうどんです。真っ白いさぬきうどんに、えび、かまぼこ、梅干し、にんじんなど、思い思いの紅いトッピングを添えて、紅白でめでたくいただきます。

 

さぬきうどん巡りはおまかせ!うどんタクシー

 「うどんタクシー」は香川県のタクシー会社が始めたサービスです。さぬきうどんのお店なら、有名店はもちろん、ガイドブックに載っていないような隠れた名店にも専門のドライバー(うどん専任乗務員)が連れて行ってくれます。たくさんのお店を効率的に回るのにおすすめです。

 「うどんタクシー」のドライバーになるのはとても大変。さぬきうどんについての専門知識を問う筆記試験、お客様へのガイドやご案内方法を見る実地試験、そしてさぬきうどんを実際に打つ手打ち試験をパスしてはじめてうどんタクシードライバーへの道が開けるのです。

 また、「うどんタクシー」の屋根の上には丼型の行灯(あんどん)が載っているのですぐにわかります。1台だけ黄金に輝く丼をのせたタクシーもあるそうなので、巡りあえたらラッキーですね。

写真提供:琴平バス株式会社

<文献>
「琴平バス株式会社 ホームページ」
http://www.udon-taxi.com/index.html


お風呂でうどんを食べる!?うどん県に残るユニークな慣習

 「初風呂うどん食え」。聞きなれない言葉ですが、香川県西部を中心とした地域では今でもこの風習が残っています。これは、新築したばかりの新しいお風呂に年長者から順に入り、湯船でうどんを食べるというものです。何とも不思議な風習ですが、「太く長く生きられるように」の願いが込められているとの説もあります。さまざまな節目の日にうどんを食べるうどん県ならではの風習と言えますね。

<文献>
「香川県観光協会 うどん県旅ネット ホームページ」
http://www.my-kagawa.jp/udon/feature/sanukiudon/culture


香川では蛇口をひねるとうどんのだしが出る!

 高松空港内にある香川県各地域の観光特産品展示コーナー「空の駅かがわ」の一角に、うどんのだしが出る不思議な蛇口があります。出てくるだしは、いりこを使った素朴な味わいの「かけだし」で、備え付けのコップで試飲できます。いかにもうどん県らしい発想で、一口飲めばすぐにでもうどんが食べたくなるかもしれませんね。

<文献>
「香川県観光協会 うどん県旅ネット ホームページ」
http://www.my-kagawa.jp/udon/feature/sanukiudon/culture


「おぴっぴ、食べまい」ってどんな意味?

 子供の頃からうどんに慣れ親しんでいる香川県民。香川県では、うどんのことを幼児語で「ぴっぴ」や「おぴっぴ」、「おぴぴ」と呼ぶことがあります。食事全般を指す幼児語の「まんま」とは別に、うどんを示す幼児語があるなんてさすがはうどん県!子供にうどんを食べさせるときに「おぴっぴ食べまい(食べなさい)」などと使うそう。「ぴっぴ」は短く切ったうどんが子供の小さな口に吸い込まれるときの音から来たそうです。

<文献>
さぬきうどん研究会編 「朝日新聞に掲載されたさぬきうどん物語」(美巧社)2013年


おやつにもうどん!? 「うどんアイス」に「うどんバーガー」はいかが?

 香川県のほぼ中央に位置する綾川町にある「道の駅 滝宮・綾川町うどん会館」。ここには、さぬきうどんメニューが豊富に揃っているのはもちろん、目を引くのはなんと「うどんアイス」!アイスの中に細かく切ったうどんとだしが入っています。お味はというと、バニラのあとに少しだしの風味がある一般向けの「さっぱり味」、アイスよりだしの味が強調された「純こってり」、さらにだしのいりこをプラスしたクセのある「超こってり」の3種類から選べます。綾川町に行ったらチャレンジしたい味です。

 さぬき市の高松自動車道にある「津田の松原サービスエリア」のおススメは、土日祝日限定商品のさぬきうどんをサンドした「さぬきうどんバーガー」!しょうが風味のタレをからめたさぬきうどんに青ねぎ、かつお節をプラス。さらにレタス、鶏肉のパテ、半熟目玉焼と一緒にバンズでサンドしたものです。
 その他にも、うどんを揚げて水あめや砂糖衣をかけた「うどんかりんとう」、表面にうどんをのせて焼いた「うどんせんべい」など、香川県ならではの〝うどんグルメ″が続々と誕生しています。

<文献>
「綾川町うどん会館」 http://www.ryonan-udon.co.jp/topics/
「津田の松原サービスエリア」 http://sat.anabuki-enter.jp/inbound/


香川発の夢の小麦 “さぬきの夢”

 うどん文化が根付く香川の地で“さぬきうどんのために生まれた小麦”、それが「さぬきの夢」です。香川県産の小麦で作ったうどんが食べたい、県内産の小麦でうどんを作りたいとの声も多く、さぬきうどん用国産小麦の品種育成は急務でした。1992年に香川県農業試験場で交配が始まり、8年もの歳月を費やし2000年(平成12年)に誕生した国産小麦が「さぬきの夢2000」です。

 香川県農業試験場ではその後も「さぬきの夢2000」を上回る新品種の開発に取り組みました。栽培しやすさや製麺時の作業性について評価を重ね、さらに延べ約1800人にも及ぶ食味アンケート調査を行い、2009年(平成21年)に「さぬきの夢2000」の後継品種として「さぬきの夢2009」が誕生したのです。「さぬきの夢2009」で作ったうどんは、コシのあるもちもちした食感が最大の特徴で表面はツルツル。小麦の香りが食欲をそそります。

 「かがわ農産物流通消費推進協議会」では、年間を通じて「さぬきの夢」を100%使用したうどんを提供するうどん店のうち、「めん」「だし」「サービス」の3つの審査基準を満たした店を「さぬきの夢こだわり店」として認定しています。

<文献>
「香川県農政水産部農業生産流通課」 
http://www.pref.kagawa.lg.jp/menpaku/index.html


メリケン粉とうどん粉の違いとは?

 今では「小麦粉」のことを「メリケン粉」とは呼ばなくなりましたが、1880年(明治23年)に双方を区分することを目的に、輸入小麦を製粉したものを「メリケン粉」、国産小麦を製粉したものを「うどん粉」と呼ぶことになりました。

 メリケン粉は、「米利堅粉」とも書きます。アメリカから輸入した小麦粉の別称で「アメリカン粉」と呼ぶこともあり、このアメリカンの発音が「メリケン」と聞こえたらしいのです。国産の小麦粉は、グルテン量も少なめで製麺に向いていることから「うどん粉」とも呼ばれ、一方で「メリケン粉」は主に製パンなどに使用されました。その当時、「メリケン粉」は「うどん粉」と比べて3倍ほど高く、パンはうどんよりも高級品だったのです。

<文献>
・家庭総合研究所編 『明治・大正・昭和・平成家庭史年表』(河出書房新社) 1997年
・岡田哲編 『コムギの食文化を知る事典』(東京堂出版) 2003年


1本、2本だけじゃない?うどんの数え方

 うどんはその形状や量によって数え方が変わります。まずはバラバラの麺ですが、これは1本2本と「本(ほん)」で数えます。これが椀に盛られると「杯(はい)」になります。ざるに盛られると、1枚2枚と「枚(まい)」と数えることもあります。乾麺は、「把(わ)」や「束(たば)」で数え、生麺は「玉(たま)」や「食(しょく)」で数えます。うどん屋さんでは注文を受ける際に「丁(ちょう)」を使って椀数を数える時もあります。そばの数え方もうどんと同じです。

<文献>
・飯田朝子著・町田健監修 『数え方の辞典』(小学館) 2004年

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