どうも、小宮山雄飛です。
「東京うどん日和」の名のもとに、東京のおいしいうどん屋さんについては、かなり網羅してきたこの連載。
今回は、特別編として讃岐うどんの本場香川に出張食べ歩きです!
実は僕、ホフディランのツアーなどで香川に行くたびに、すでにかなり多くの店舗に訪れているのですが、今回はあえてすべて未訪問のお店。
<今食べに行くべき>名店3軒に伺いました。
一軒目に伺ったのは、高松でも最も古いお店の一つ、100年以上続く老舗「ヨコクラうどん」。
店舗は厨房のある建物と、飲食のみできる趣のある旧家の2つに分かれています。
まずは厨房サイドで注文、数あるトッピングに気分が上がります。
せっかくなので、厨房サイドで受け取ったうどんを持って、旧家で食べることに。
古民家風ならぬ、リアル古民家。讃岐うどんの歴史を堪能するのにもうってつけのお店です。
老舗中の老舗だけに、当然「ぶっかけ」などシンプルでオールドスタイルなメニューがおすすめかと思いきや、なんと今人気なのが「鶏チャー葱炙油うどん」。
一軒目にして、いきなり意外なメニュー。
鶏モモチャーシューを香ばしく炙り、ネギ油とだし醤油をかけて、からめて食べるまぜうどん。
ちょっと衝撃なメニューですが、受け取った時点でネギ油の香ばしい香りがしてきて、実においしそう。
だし醤油とネギ油を麺にしっかりからめて、最後にあらびきこしょうをぱらり。
香ばしくて味にパンチがあり、めちゃくちゃおいしい!
これぞ、高松の最古のお店で食べる最新のうどん。
讃岐うどんの振れ幅のすごさを一軒目から感じました。
低温調理された鶏チャーシューもやわらかくておいしく、こちらのお店はつゆも絶品ということで、途中からはつゆを加えて味変も楽しめます。
つゆをかけると、だしをしっかり感じて、また全然違うおいしさに。
中太だけど、単にコシがあるだけではなく、しなやかな口当たりの麺も最高。
創業100年を誇る老舗だからこそできる、変化球のようでいて実はうどんのおいしさを直球で味わえる一杯。
ヨコクラうどんさん、ごちそうさまでした!
一軒目から期待値爆上がりの讃岐うどんツアー、どんどん続きます。
店舗情報
- ヨコクラうどん
- 香川県高松市鬼無町鬼無136-1
- 087-881-4471
二軒目に伺ったのはセルフのお店「手打麺や 大島」。
讃岐うどんといえば、セルフ形式で自分であれこれ作るのも楽しみの一つ。
壁には「何玉食べられますか?」という挑戦的な(笑)文言と同時に、「中華そば」「日本そば」の文字が。
そうなんです、讃岐で製麺所といったら、必ずしもうどんだけを作っているわけじゃないんです。
ということで、2種類の麺を楽しめる「うそ(うどん1玉+そば1玉)」をチョイス。
うどんは自分でゆがいて温めます(そばはアレルギーの問題上、厨房で温めてくれます)。
さらにつゆも自分で注ぎますが、ここでちょっと裏技が。
薄めのかけつゆと、濃いめのぶっかけつゆをブレンドして、自分好みの味付けにするのが通なんだとか。
さらにおいしさが増すのが、お店オリジナルの「いりこオイル」。
セルフだからこそ、お客さん一人ひとりが徹底的に自分好みの味にカスタマイズ。
香川での日々の食生活に、いかにうどんが根付いているかが分かります。
完成したのがこちら。
うどん1玉、そば1玉、トッピングのコロッケはなんと1つ50円。
常連さんが「これおいしいから食べた方がいいよ!」とすすめてくれた天ぷら(練り物)も追加。
うどんとそばが共存する器が、平和の象徴のようです(笑)
一口すすると、いりこの味が濃い!!
いりこだしにいりこオイルのWいりこで、これはたまりません。
それでいて魚くささはまったくなく、実に奥の深い味です。
太くてぷりっとした食感のうどんと、ざらっとした日本そば特有の食感を両方味わえるのもうれしい。
最初は別々に食べてましたが、あえて両方一緒にすすると、未知の味わいでおいしい・楽しい。
麺につゆ、トッピングに薬味まで、自分好みの味をそこまでも追求できるセルフスタイルならではの最高のお店でした。
讃岐うどん食べ歩き、三軒目は「おうどん 瀬戸晴れ」。
こちらのお店を最後に選んだのには理由があります。
2019年オープン(今の場所に22年に移転)と比較的新店ながら、グルメサイトの百名店にも選ばれ、休日は大行列。
人気の秘密は、こちらでしか食べられない、特別な麺にあるんだとか。
おしゃれで、きれいに整った店内。
テーブルに料理を持ってきてくれる、いわゆるフルサービスのお店なので、名物の「地だこ入かき揚げ」をツマミにビールを一杯。
注文を受けてから揚げているという、そびえ立つかき揚げタワー!
揚げたてならではのサクっとした食感と、しっかり身厚なたこの食感が最高。
これは、ビールが進みます。
そして締めの一杯に常連さんからおすすめされたのが「生じょうゆうどん」に「卵」のトッピング。
麺線も整っていて、いかにもおいしそうなうどんですが、なにやら、他の讃岐うどんのお店とは全く違うものらしいんです。
こちらの麺の特徴は「むにゅもち麺」。
いわゆる、讃岐うどんは太くてコシがあるタイプですが、こちらはそれに加え、むにゅっとした独特の歯応えと、もっちもちの食感を味わえるんだとか。
薬味と全卵を泡立つくらいに混ぜましょう。
それでは、最後の一杯いただきます!
一気にすすると、なんだこの食感!
卵はふわっふわのとろとろ、麺は文字通りむにゅっとしてもちもちの食感。
めちゃシンプルだけど、箸が止まらず、思わず笑顔が。
三軒目でも、あっと言う間に完食でした!
福岡県出身のご主人が高松市の名店「本格手打 もり家」で修行した後に独立して開いたお店。
言われてみれば「むにゅもち麺」って福岡と讃岐のうどんの良いところ取りのようです。
素敵な新食感うどんに、讃岐うどんのさらなる可能性を感じました。
めっちゃおいしかった、ごちそうさまでした!
ということで、東京うどん日和番外編「本場讃岐うどんツアー」。
讃岐うどんと一言で言っても、全く違う三軒で全く違う最高の讃岐うどん体験。
うどん県の底力を、胃袋で感じました。
東京でも讃岐でも、さらに全国でも、うどんの魅力をますます掘り下げたくなりました。
ごちそうさまでした!
撮影:アミノン
※掲載情報は取材時/更新時のもので、
現在とは異なる場合があります。

